ペーパーレス化の切り札 開発秘話その1

(前回の続き)

さて、ここまでで、ペーパーレス化が数々の業務改革の中でも最も切望されていることしかし紙が規則・制度・文化・慣習に埋め込まれていることでペーパーレス化は一筋縄ではいかないことそれでもこれからの社会に対応するためには変えざるを得ないこと変えるのは容易ではないこと変えるならば成果のでそうなことを小さくはじめることをお伝えしました。

なぜそのようなことを書いたかというと、これこそが弊社がAxelaNoteを開発するに至った理由だからです。

今から18年前にさかのぼります

もともとこのアプリ開発の端緒となったのは、かれこれ18年前のできごとです。当時、弊社代表の小林は新卒で日立製作所に入社しました。新人ですから、まずは議事録を書いたり、週報を書いたり、社内向け論文を書いたりするわけです。当然新人なので、先輩から指導が入ります。その指導は、私が書いた書類を印刷して先輩に渡して、赤ペンで朱書きしたものが返ってくる、という感じのプロセスです。

どこの会社でも行われている当たり前のプロセスでした(今でも官公庁、自治体、金融系では当たり前のように行われています)。しかし、ふと疑問に思いました。せっかくIT企業に入ったのに、なぜ紙でやりとりしているんだろう・・・?

電子版赤ペン先生の限界(議事録)

時は過ぎ、今度は私が後輩を指導する立場になりました。IT企業なんだから文書のチェックは電子的に完結させたと思い、印刷せずにコメントを記入するのですが・・・・やりづらい!

まずWordの校閲機能。機能過多でUIは最悪な上に、そもそも貼り付けた画像にコメントすることはできません。いちおうテキストボックスを使えばできますが、テキストボックスを作成して、文字の色は赤にして、コメントを書いたり図を描いたりするのはとても手間がかかります。さらに、本文に手を加えることは、文書になんらかのミスを埋め込んでしまう原因になりかねないので、極力避けるべきです。

例えば、新人が以下のような議事録を書いてきたとします。

これにWordの校閲機能でコメントをつけると下図のようになります。

どこに対する指摘なのかさっぱりわかりません。図も書けないので、最後のコメントでは無理やり文章で説明しています。これでは指摘するほうも、直すほうも、極めて非効率です。結局紙に印刷して赤ペンで書き込むことになってしまいます。

電子版赤ペン先生の限界(外部向け資料)

販社向けに配布するPDF資料にコメントする際も苦労しました。印刷切れや文字切れなどを水際で防ぐために完成系のPDF資料にコメントするのですが、このPDF、勝手に書き換えられては困る資料なので編集禁止にしています。こうなるとAcrobat Readerでは注釈を入れられません。仕方なく紙に印刷しようにも不要な拡散を防ぐため印刷禁止にしてあるので印刷もできません。つまり、最終版PDFを査読することで成果物の質を担保するという重要な作業を行う手段がないのです。

仕方なく元のExcelファイルにコメントしようにも、下図の赤字のように指摘を的確に書きたくても書けないのです。議事録と同様に本文を書き換えるのは、指摘と本文が混ざってわけがわからなくなる上に、資料作成の技術を後輩に伝えるという教育的観点が抜けてしまうのでここではしません。

頑張ってPDFにする前のExcelにコメントして、修正版を作成させても後輩から出てきた最終版PDFは下図のように目も当てられないものだったりします。

このように文書チェックはペーパーレスだと極めて不便なのです。さらに、印刷禁止な文書の場合、紙出力もできないので最終稿にコメントする手段がないのです。

探し求め18年。待てど探せど見つからない。

これだけITが発達した時代ですから、こんな不便さを解消してくれるソフトが出てくるだろうと思っていました。ある時はAdobeやMicrosoftに期待し、ある時はベクター窓の杜を漁り、ある時はアスキーやDOS/V magazineで探し、ある時はDownload.comSourceforgeで検索し・・・世の中には自分よりすごい人がゴマンといるので、必ずや出てくると信じていました。そう思い続けて18年間探し続けましたが、結局出てきませんでした。

もちろん惜しいソフトはいくつかあるのです。まず有料版Acrobat。しかしこれはパスワードが分からない書き込み禁止のPDFには書き込みができません。次に、互換PDF編集ソフト。書き込み禁止のPDFにも書き込めるものはありますが、表示に難あり。忠実に表示を再現してくれません。

そもそも表示再現性については、互換ソフトに期待はしていませんでした。下図は日本マイクロソフトが表示再現性を評価した結果[1]ですが、Officeの文書フォーマットは国際標準ISO/IEC 29500として仕様が公開されているにもかかわらず、互換ソフトは平均再現率45.0%と散々たる結果でした。

では純正ソフトであれば表示は完全に再現性されているかというと、そうでもありません。下図はWord OnlineとWord 2013で同じ文書の同じ箇所を開いた結果ですが、ご覧のようにぜんぜん表示が違います。

そりゃ待っても出てこないわけだ・・・

世界中の企業が国際標準に従った文書をまともに表示させることができず、さらにあのマイクロソフトでさえ自社で取り纏めた国際標準の文書の表示を再現できないのです。こんな状況なので、電子版赤ペン先生を不便なく実現してくれるソフトは永遠に来ないのでは、と思うようになりました。

(つづく)

出典

[1]The Facts 2013 比べてわかるマイクロソフトOfficeの実力, 日本マイクロソフト (平成25年).

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